2016年12月11日日曜日

草木染一浴染法

草木染めは染色と媒染の2工程(2浴)で染められます。
これは、染色液と媒染液を混ぜると色素と媒染剤が結合して沈殿してしまうためです。
この問題を解決して一浴で染めるのが「草木染一浴染法」です。
一浴染法により、草木染めの友禅や刷り込み捺染への応用が可能になりました。

草木染一浴染法は昭和50年代に長野県繊維工業試験場で開発されました。
ただ、地元関連業界との取り決めにより、詳細は公開されませんでした。

草木染一浴染法のキーとなる助剤がGURANATE GSM/3 です。
現在、GURANATE GSM/3は製造停止となり、入手は困難です。
ただ、成分組成のデータといわれるものが残されています。

* GURANATE GSM/3は化学繊維の染色助剤として販売されており、メーカーはこの助剤がこのような特殊な用途に利用されているとは知らなかったのではないかと思われます。

商品名  GUARANATE GSM/3
メーカー UGINE KUHLMANN(JAPON)K.K.

GUARANATE GSM/3


化学組成

Carboxymethyled locust bean gum        59%

(カルボキシメチルローカストビーンガム)

Etherified galactomannose               29%

(コンニャクノリ・ガラクトマンナンエーテル)

Sodium sulfate                           3%

(硫酸ナトリウム)

Sodium hexametaphosphate               4%

(ヘキサメタリン酸ナトリウム)

Defoaming agent                          2%

(消泡剤)

Sodium orthophenylphenolate              3%

(酵素抑制薬)