2008年2月28日木曜日

絹フィブロインゲル 乾燥中2


真上から撮影。 幾分収縮しています。



 斜め上から撮影。全体的に収縮しています。

サンシャインウェザーメーター

 突然ですが、ウェザーメーター(耐候試験機)に触れてみたいと思います。
 屋外に置いた物の変化を、促進して調べる試験機です。

 スガ試験機のカタログを見ますと、ウェザーメーターは使われている光源から5種類に分類されています。
 ①キセノン(キセノンアークランプ)
 ②メタリング(メタリングランプ)
 ③サンシャインカーボン(サンシャインカーボンアークランプ)
 ④紫外線カーボン(紫外線カーボンアークランプ)
 ⑤紫外線蛍光灯(紫外線蛍光ランプ)

 サンシャインウェザーメーターといった場合は、一般にはサンシャインカーボンのウェザーメーターのことを言っていると思います。
 キセノンの分光分布が太陽光に近似しているのは事実ですが、キセノンウェザーメーターのことをサンシャインウェザーメーターとは言わないと思います。

 絹とウェザーメーターは無関係のようですが、そうでもありません。
 絹も光や水分などの作用で黄変し、更には褐色を帯びてきます。
 絹の黄褐変を評価するのにウェザーメーターやフェードメーター(耐光試験機)が使われることがあります。

2008年2月26日火曜日

絹フィブロインゲル 乾燥中1


 表面が少し乾燥し、色も少し黄色みを帯びてきた絹フィブロインゲル。

ゲル状態の絹フィブロイン

 苦労してつくった絹フィブロイン水溶液もゲルになってしまうと、なすすべがありません。
 水を加えたり、加熱しても溶液には戻りません。
 

2008年2月25日月曜日

絹フィブロイン水溶液ゲル化


 調製後10日目、絹フョブロイン水溶液のゲル化を確認しました。




ゲル化していますので、逆さにしても落ちません。

2008年2月22日金曜日

絹フィブロイン水溶液  7日目


 溶液状態です。
 ゲル化の確認は来週に持ち越しです。

2008年2月21日木曜日

絹フィブロイン水溶液  6日目


 調整後、6日目。 溶液状態です。
 最短では、明日ゲル化する可能性もあります。

2008年2月20日水曜日

絹フィブロイン水溶液  5日目


 調整後5日目の絹フィブロイン水溶液。 溶液状態です。
 一般に、絹フィブロイン水溶液は不安定で、7日~10日でゲル状に変化します。
 今回はどうでしょうか。
 

2008年2月19日火曜日

絹フィブロイン水溶液


 絹繊維を硝酸カルシウム水溶液で溶解、脱塩(拡散透析と電気透析)し、浮遊物を遠心分離で除き、調製した絹フィブロイン水溶液。 2月15日に調製。調製時に撮影。



 冷蔵庫で冷蔵保存中の絹フィブロイン水溶液。
 調整4日後の2月19日現在、溶液状態です。
 液の蒸発を防ぐため、フィルムで覆ってあります。

2008年2月14日木曜日

シルクスポンジ  その7


 乾燥状態のシルクスポンジを水に浸し、ふやかします。



 水を吸収し、ふやけたシルクスポンジ。


 水から取り出したシルクスポンジ。



 折りたたむこともできるシルクスポンジ。
 乾燥状態の時とは異なり、柔らかく、割れるような脆さはありません。



 折りたたんで水分を幾分絞ったシルクスポンジを広げたところです。

シルクスポンジ  その6


 乾燥状態のシルクスポンジ



 乾燥状態の角形シルクスポンジ



 じつは、乾燥状態のシルクスポンジには脆いところがあります。

2008年2月13日水曜日

シルクスポンジ  その5


 半乾きのシルクスポンジ(表)


 半乾きのシルクスポンジ(裏)


 半乾きの角形シルクスポンジ(表)


 半乾きの角形シルクスポンジ(裏)

2008年2月12日火曜日

シルクスポンジ  その4

 角形シルクスポンジ(凍結状態)



 解凍後、容器から出した角形シルクスポンジ

シルクスポンジ  その3


解凍前のシルクスポンジ (凍結状態)


解凍したシルクスポンジ


解凍したシルクスポンジを容器からだしたところ


水に浮かしたシルクスポンジ(真上から撮影)

2008年2月11日月曜日

シルクスポンジ  その2

 絹フィブロイン水溶液と酵素水溶液を混合後、凍結処理を行うと酵素を固定化したシルクスポンジを作ることができます。
 シルクフィルムの場合と異なり、不溶化のためのアルコール処理がないため、酵素活性の低下が少ないと推定されます。

2008年2月9日土曜日

シルクスポンジ  その1

 絹フィブロイン水溶液には、物理的力が加わると固まる性質があります。
 この性質を利用して、絹フィブロイン水溶液を凍結すると、凍結の際に物理的力が加わりスポンジ状に固まります。この固まりがシルクスポンジです。
 具体的なシルクスポンジの作り方は、いずれ時期をみて説明します。

2008年2月8日金曜日

家蚕繊維の断面


300倍で観察。
細かい点ひとつひとつが繊維1本の断面です。


500倍で観察。絹の特徴の三角断面がわかります。
家蚕のほうが天蚕より繊維が細いこともわかります。


800倍で観察
三角断面をさらに拡大しました。 

2008年2月7日木曜日

天蚕繊維の断面



 デジタルマイクロスコープ(VHX-100 キーエンス)で観察・撮影。
 倍率は300倍。
 銅板の小さな穴に繊維を詰め、両端をカットして繊維断面を観察。
 中心部分が天蚕繊維で、周辺は銅板の表面が見えています。

2008年2月5日火曜日

絹で酵素を固定化する  その3



 p-ニトロフェニル・りん酸二ナトリウム(PNPP)の水溶液(pH6~9)にアルカリホスファターゼを固定化した絹フィルムを入れます。PNPPは絹フィルム中に浸透し、フィルム中のアルカリホスファターゼの作用でp-ニトロフェノール(PNP)とリン酸に分解します。生成したPNPとリン酸はフィルム中から水溶液中へ拡散していきます。PNPの水溶液が黄色であるため、液の色が透明から黄色に変化します。
 この液の特定波長(410nm)での吸光度を測ることで、PNPの濃度を求めることも可能です。

2008年2月4日月曜日

絹で酵素を固定化する  その2

 酵素の固定化方法は三つに大別されます。

(1)担体結合法:水不溶性の担体に酵素を結合させる方法

(2)架橋法:酵素を2個またはそれ以上の官能基をもった試薬で架橋する方法

(3)包括法:酵素を高分子ゲルの微細な格子の中に包み込むか、半透膜性の高分子の皮膜によって被覆する方法
 
 「酵素工学」 福井三郎、千畑一郎、鈴木周一 編集  東京化学同人(1981)より

絹による酵素固定は包括法になります。           

2008年2月1日金曜日

絹で酵素を固定化する   その1


 絹フィブロイン水溶液と酵素を溶解した水溶液を混合し、シルクフィルムを作る要領で水平なプラスチック板上に混合液を展開し、自然乾燥しフィルムを作製します。このフィルムを50%エチルアルコール中に30分間浸漬して不溶化処理を行い、水洗後乾燥します。これにより、酵素を包括固定した絹フィブロインフィルムが作製できます。

 不溶化処理の際、アルコールの作用で酵素の活性が幾分失われることがあるので、その点を改良した別の固定化方法もあります。