弱アルカリ性洗剤と中性洗剤で洗濯したときの、各繊維布の洗濯回数ごとの絹フィブロイン付着量の変化を図1と図2に示しました。
弱アルカリ性洗剤で洗濯した場合(表1)、綿、ビニロン、アクリルでの絹フィブロイン付着量の減少(絹フィブロインの脱落)は僅かで、レーヨン、アセテート、ナイロンでは50%以上の絹フィブロインの脱落が認められました。
中性洗剤で洗濯した場合(表2)では、いずれの繊維も絹フィブロインの脱落は弱アルカリ性洗剤で洗濯した場合よりも減少しました。
以上より、付着させた絹フィブロインは中性洗剤による洗濯には充分耐えることがわかりました。また、綿、ビニロン、アクリルに関しては弱アルカリ性洗剤による洗濯にも耐えうることがわかりました。
ここでは検討しませんでしたが、絹フィブロイン加工の耐洗濯性に関しては、繊維の種類のほかに加工対象布の性状も重要な要素の可能性があると思われます。
高い耐洗濯性を示した綿、ビニロン、アクリルはいずれも紡績糸の織物であり、耐洗濯性の低かったアセテート、レーヨン、ナイロンはフィラメント糸の織物でした。
同一繊維で性状の異なる布での耐洗濯性試験が必要と思われます。
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