2008年11月15日土曜日

絹フィブロインフィルムとグラフト加工 その2

 6%絹フィブロイン水溶液100ml中にグラフトモノマーとしてアクリル酸2-ヒドロキシエチル1mlを加え、更に反応開始剤として2%過硫酸カリウム水溶液1mlを加え、80℃で30分間反応させ、グラフト加工された絹フィブロイン水溶液を得ました。     
 冷却後、この絹フィブロイン水溶液を水平に保たれたアクリル板上にキャストして風乾し、フィルムを調製しました。
 このフィルムは既に水に対して不溶性のため、50%エチルアルコールによる不溶化処理は行いませんでした。

 グラフト加工された絹フィブロイン水溶液より調製したフィルムの切断時の引張強度は次のとおりでした。
 乾燥時:77MPa
 湿潤時: 5MPa

 絹フィブロインフィルムには吸水性があります。フィルムは水を吸収すると膨潤し、強度は乾燥時の1/10以下に低下します。
 絹フィブロインフィルムの湿潤状態での強度改善を意図してグラフト加工を行いましたが、期待した効果は得られませんでした。

MPa(メガパスカル)
Pa(パスカル)=N/㎡

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