2009年1月2日金曜日

天蚕のこと  その4

地場産業育成の気運あがる
 これらの施策により、復興の気運がみられはじめました。
 しかし、昭和期に入り、たび重なる戦争のため農家の労力が食糧増産等に向けられると、再び衰退の途をたどることになりました。かろうじてこの地方の一部の篤志家須沢勇治(1879~1960)、吉田憲次(1888~1945)等により飼育保存された天蚕卵、柞蚕卵を、第二次世界大戦終結後、長野県蚕業試験場松本支場有明天柞蚕試験地で引き継ぎ飼育保存して、その命脈を維持してきました。 このところ、織物業界の強い要請、地場産業の育成等の社会情勢の中で、長野県は蚕糸業審議会の議決を経て、天蚕の試験研究と飼育増殖とをとりあげ、現在、長野県下の農家に飼育普及されつつあり、今後、関係機関等の努力によりさらに増加の傾向にあります。

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