2008年10月5日日曜日

凍結処理により絹フィブロインに固定化されたカタラーゼの熱安定性 試験方法

 凍結処理により絹フィブロインがβ型に結晶化する特性を利用してカタラーゼを包括固定し、固定化により熱安定性が向上することがわかりました。

(1)絹フィブロイン水溶液の調製
  絹繊維20gを40℃の9M臭化リチウム水溶液100mlで溶解します。溶解液をセルロースチューブに入れ透析し、臭化リチウムを脱塩し、6%の絹フィブロイン水溶液を得ました。

(2)酵素固定
  6%絹フィブロイン水溶液と0.2g/Lカタラーゼ水溶液を1対1の割合で混合し、この混合水溶液を-5℃で凍結し、凍結状態を数日間維持しました。次に、流水で解凍し、絹フィブロインの凝固物に包括固定されたカタラーゼを得、これを水溶液中で保存しました。

(3)酵素活性測定
  pH7.2の0.1Mりん酸ナトリウム緩衝液20mlに50mg/Lカタラーゼ水溶液1mlあるいは絹フィブロインに固定化されたカタラーゼ0.03gを加え、25℃~60℃の各温度で20分間保持した後、25℃で10分間放置後、100mM過酸化水素水溶液20mlを加え、20分間反応させました。反応後、反応液を2ml採取し、6N硫酸5mlと0.1M塩化マンガン水溶液2滴を加え、N/100過マンガン酸カリウム水溶液で滴定し、反応液中に残存している過酸化水素量を求めました。



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