2007年12月25日火曜日

絹を溶かしてフィルムをつくる方法 その5

 セルロースチューブを使った拡散透析により、溶解液中の臭化リチウムを除き、絹フィブロイン水溶液をつくります。

①絹フィブロイン溶解液



②セルロースチューブ



③セルロースチューブを適当な長さに切ります。
④切ったセルロースチューブを蒸留水中に30分ほど浸します。
⑤セルロースチューブの一端を縛るか、クローサで止めます。
⑥反対の口から絹フィブロイン溶解液を入れ、空気を抜き口を縛るか、クローサーで止めます。入れる量はセルロースチューブ容積の1/2から2/3程度です。
⑦水または蒸留水を満たした容器に溶解液を詰めたセルロースチューブを沈めます。
⑧セルロースチューブから臭化リチウム(臭素イオンとリチウムイオン)が溶出し、拡散透析が始まります。
⑨容器の水はオーバーフローさせ、セルロースチューブの内と外で濃度差があるようにします。
⑩臭化リチウムは溶出し、水はセルロースチューブ中に進入します。入れた溶解液の量が多すぎる場合など、まれにセルロースチューブが破裂する場合があります。溶解が不十分だった場合には、透析途中でゲル化する場合もあります。



⑪透析がだいぶすすんだ状態



⑫透析終了後、セルロースチューブから取り出した絹フィブロイン水溶液。
 透析終了の目安は、容器中の水に硝酸銀溶液を滴下してもほとんど白濁しない状態です。

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