2009年1月10日土曜日

絹フィブロインフィルムの徐放性  その4

色素の溶出
 色素含有絹フィブロインフィルムを25℃蒸留水中に浸漬し、その際フィルムから溶出した色素濃度の経時変化を図に示しました。
 オレンジⅡは60分後の溶液中濃度が7.22μg/mlとなり、その後幾分増加するものの濃度増加は横ばいとなりました。フィルムからのオレンジⅡの溶出が平衡に達したものと推定されます。
 メチルオレンジに関しても同様のことがいえます。
 酸性フクシンに関しては溶出が平衡に達するとともに、色素の分解も並行して進行しているため、色素の濃度の減少が見られたと推定されます。
 コンゴーレット、ローズベンガルに関しては溶出量が少ないものの、120分まで溶出濃度の増加が認められ、平衡には達しませんでした。
 クリスタルバイオレットの関しては溶出が認められませんでした。
 色素の溶出速度の違いに関しては、色素分子量の大きさが関係していると推定されますが、それだけではないようです。ちなみに、メチルオレンジとオレンジⅡの分子量は350前後、コンゴーレットとローズベンガルの分子量が700から1000。そして、溶出の認められなかったクリスタルバイオレットの分子量は約400でした。
 また、フィルムを浸漬する水溶液の温度が高いほど、色素は溶出しやすいことがわかりましたが、クリスタルバイオレットは水溶液温度40℃においても溶出が認められませんでした。

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