2008年9月18日木曜日

納豆菌から分離したバチルスを用いた「食用抗カビ性シルクフィルム」の生成

 3年連続3回目の最優秀賞。一昨年は、納豆菌から分離したバクテリアが抗カビ性物質を作り出しているのを突き止め、昨年は、蚕が作る繭を薄い膜状に加工した「シルクフィルム」の生成に成功。そして今回は、抗カビ性物質とシルクフィルムを合わせた「抗カビ性フィルム」作りに取り組み、黒カビに抵抗力のあるフィルムを完成させた。顧問の二宮純子教諭は「先輩の研究を引き継ぎ、試行錯誤を重ねた結果です」と生徒たちの頑張りを評価した。 最も苦労したのは、開発したフィルムの耐水、耐熱性を高める作業。文献を参考に、まずはアルコールを使用する方法で試した。フィルムをアルコールに直接浸したが、変形してしまった。次に、別のアルコールを用いたが、フィルム自体が溶けて失敗。そこで、「アルコール量を抑えれば形が保たれるのではないか」と仮説を立て、フィルムの原料となる溶液に、微量のアルコールを加える実験に切り替えて成功した。 2年で部長の藤木春美さんは「輸入される一部の果物の表面には、防カビ用として人体への有害性が指摘される化学物質が塗布されている。このフィルムはすべて天然素材でできており、防カビ剤の代用品として利用すれば食品の安全管理が高まるはず」としている。 (九州国際大学附属高校女子部・環境化学部)


YOMIURI ONLINEより

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