2008年12月14日日曜日

信州紬 その1

 信州紬は昭和50年2月19日、通商産業大臣から伝統的工芸品「信州紬」の指定を受けました。伝統的工芸品とは、昭和49年5月2日に公布された「伝統的工芸品産業の振興に関する法律」略して「伝産法」と呼ばれている法律に基づき、通商産業大臣が指定するものです。なかでも信州紬は、第一次に指定されました。伝統的工芸品指定の要件は次のとおりです。
●伝統的な技術または技法
1.次の技術または技法により製織された絣織物または縞織物、若しくはこれに類する織物とすること。
(1)先染めの平織りとすること。
(2)たて糸に使用する糸は、生糸(山繭糸を含む)、玉糸または真綿の手つむぎ糸とし、よこ糸に使用する糸は、玉糸または真綿の手つむぎ糸とすること。
(3)よこ糸の打ち込みには「手投杼」を用いること。
2.絣糸の染色法は「手くくり」によること。
●伝統的に使用されてきた原材料
 使用する糸は、生糸(山繭糸を含む)、玉糸または真綿の手つむぎ糸とすること。
●製造される地域
 長野県長野市、松本市、上田市、岡谷市、飯田市、須坂市、小諸市、駒ヶ根市、塩尻市、佐久市、南佐久郡臼田町および佐久町、諏訪郡下諏訪町、下伊那郡鼎町、高森町および上郷町、東筑摩郡明科町および生坂村、南安曇郡穂高町および梓川村、北安曇郡松川村、埴科郡坂城町および戸倉町、下水内郡栄村など、10市17町村におよぶ。
 信州紬は十八世紀初期、地場産業として奨励され、盛んな養蚕とともに発展しました。豊かな自然と豊富な原材料に恵まれ、くぬぎ林で飼育される天蚕、山野に自生するさまざまな草木染め用の染材など、これらを生かして伝統的な縞、絣柄を現代によみがえらせています。信州紬は、天蚕紬をはじめ、上田紬、松本紬、伊那紬、飯田紬の他、県内各地で産出されるさまざまな紬の総称です。

0 件のコメント: